初心者のための!作って学ぶBlenderの基礎:⑥カメラとライティング・書き出し
どうもこんにちは、JBです。パンダチュートリアルも今回でついに終了です!
ムービーに書き出すために、今まで完全に無視していたライトとカメラも設置します。ついでにUnityへのデータの受け渡しもご紹介!
というわけで早速いってみましょう!
本当はリアリティを出すためにガッツリやった方がいい項目なんですけどね…駆け足でいっちゃいます。
Unityで使うとかだと、こちらで設定してもあんまり意味ないので…という言い訳。
目次
カメラを配置する
カメラワークもアニメーションを付けたりパスにそってモーションしたりできますが、今回は固定で。
カメラの設定
特に何もしなくていいと思いますが…ざっと説明を!
3D Viewでオブジェクトモードに切り替えて、カメラを移動させたレイヤーをオンに。カメラをつかんでプロパティパネルのカメラタブを選択します。
■ Lens:レンズの設定
上のタブで透視投影・平行投影・パノラマに切り替えます。
Focal lengthでレンズの焦点距離を決定。映る範囲のサイズだと思ってください。
Clippingはレンダリング範囲の指定です。「何か背景が切れる!」という場合は、Endの値を大きくすれば解消されます。
ここでは何もいじらずスルー。
■ Camera:カメラの選択
好きなカメラを選べます。映り方も変わりますよ!
ここもいじりませんでした。
■ Depth of Field:フォーカス設定
左側でフォーカスするオブジェクトが選べます。Distansでは任意でフォーカスする距離が設定できます。
今回はパンダのメッシュ、Planeにフォーカスするようにしました。
あとの項目は割愛です!
カメラの位置を決める
パンダをと部屋がいい感じに映る位置にカメラを移動させます。アニメーションすることも考慮して、動き終わりの位置でベストショットになるようにしましょう!
映り具合はNumキーの0でカメラビューに切り替えて確認します。部屋の外が見切れたりすると残念ですし。
カメラビューのまま調整するには、Nでプロパティシェルフを出して、Viewの項目でLock to Camera Viewにチェックを入れるとやりやすいです。
スクロールでズームアップ/アウト、真ん中ドラックで位置調整すれば(Shiftを押しながら移動すると、回転がオフになります。微調整に便利)、そこそこいい感じにできるかと思います!
カメラビュー上で大まかな位置決定→普通のビューで移動(G)&回転(R)をしながら微調整をすれば、比較的スムーズにできますよ!
ライティング設定
窓のない独房の様な部屋にしてしまったので、いじり甲斐がないっていう…
ライトの種類
とりあえずライトの種類を知っておいた方がいいかなーということでふんわりご紹介します。ライトは全部で5種類!
- Point…点光源って感じですかね?電球的な。広範囲を優しく照らしてくれます。
- Sun…太陽光。場所に関係なく全体を照らします。まさに太陽。回転角度で日没感とかが出せます。
- Spot…その名の通りスポットライト。光の筋とかを出したいときに便利。向きや大きさも決められます。
- Hemi…半円ドーム状に全体を照らしてくれます。光の向き(指向性)はなし。あと、影が出来ません。
- Area…面から光が出ます。影が柔らかめ。向きも決められますよ!
ライトはオブジェクトモードでShift+A→Lampの項目から追加できます。
実際にライティングしてみよう
アニメーションでやるライティングではないかもしれませんが…ここは基本の3点ライティングを実践してみます!キーライト・バックライト・フィルライトの3つでライティングする方法です。
とりあえず3D Viewでオブジェクトモードに切り替えて、ライトを配置したレイヤーをアクティブにします。今あるやつはいらないのでdelで消しましょう!
■ 環境光をオンに
ライト配置の前に、全体的に明るくさせます。プロパティパネルのワールド設定タブ(地球の形のやつです)を選択します。Environment Lightningにチェックを入れれば、全体が明るくなります。Energyでお好きな明るさに調節可能です(私は0.6くらいに設定)。
ただ…なんかザリッザリになりますよね?これはサンプリングの関係でノイズが出てしまっている状態だから。
同じくWorld設定タブのGatherという項目で、Samplesの値を上げると解決しますよ!
■ キーライト
キーライトはメインの光源。一番見せたい物体の(ここではパンダ)左または右斜め上から照らします。私はShift+AでLamp→Areaを選びました!
パンダは動きますが…最終的に部屋の真ん中でポーズするので、部屋の左上から真ん中を照らすように配置します。
プロパティパネルでランプの詳細を設定します。ランプのタブをクリック。暖かい室内光ということで、色味をオレンジっぽい白にしました。
明るさはEnergy、ライトの有効距離はDistans、光の広がり具合はGammaで調節できます。右のチェックボックスはそのままでOKです。
続いてパンダの影を作りたいので、ShadowをRay Shadowに変更します。Samplingでは、影の仕上がりなどを設定できます。Samplesが大きいと、サンプリングが細かく行われるので高精細に。その下はサンプリングのモードですが…左はレンダリング速&クオリティ低、真ん中はレンダリング遅&クオリティ高、右はカスタムモードとでも思っていただければ…。
Area Shapeは、光源の形とサイズ。小さいと光源付近のエネルギーが凝縮されてしまうので、Sizeを5くらいにしました!
■ バックライト
名前の通り、バックから照らしてパンダの際を強調させます。LampはSpotを選択しました。バックライトはキーライトの反対側から照らすので、部屋の右後ろに配置しました。
プロパティパネルはこんな感じ。
LampのDistansとSpot ShapeのSizeを調節して、パンダを包み込む感じにします。Energyはキーライトよりもかなり明るく設定するといいみたいです!
影はなくてもいいかな…と思ったので、No Shadowにしておきました。あとはスポットが目立たないようにBrendでぼやかします。
■ フィルライト
影が濃くなる部分を軽減させる役割です。環境光設定してるからいいか…?とも思いますが一応!
フィルライトはカメラと同じ方向〜キーライトの対象方向あたりから、オブジェクトに対して水平に設置します。LampはPointを使いました。
プロパティパネルはこちら!
フィルライトはEnergyをごくごく弱く設定します!パンダがギラつくとイヤなので、Specularのチェックは外しました。Sphereをオンにすると光の有効範囲がわかるので、いい感じにパンダが包まれるようにDistanceを調節します。こちらも影はいらないのでNo shadowに。
■ 全部合わせると…
こんな仕上がりに!
3点ライティングはスタジオ撮影とかの光の当て方なので、このシチュエーションではそぐわないかもですが…。お好みでそれぞれのライトの明るさを調整してくださいね!
ムービーに書き出す
いよいよ書き出しです!
レンダリング設定
レンダリングの設定は、プロパティパネルのレンダリングタブ(カメラのマーク)から行います。
とりあえず、大きすぎずそこそこ見られる動画を書き出す設定をしていきたいと思います!
まずはDimensionsという項目から。
Resolutionは解像度です。デフォルトだと1920×1080のサイズ(HDTVと同じサイズ)だと思います。今回は960×540になるように、50%のサイズにしました。
Frame Rangeはムービーの長さです。スタート位置と終了位置を自分の作ったアニメーション(NLAで組み合わせた方の総尺です)の長さに合わせればOK。他は特にいじりません。
続いてAnti-Aliasingの項目を見ます。デフォルトでチェックが入っていると思います。
アンチエイリアスは境界がザリザリなところを、うまいこと滑らかに見せてくれるやつです。数字でレベルが変えられます。
ちなみにレベルが高ければ高いほど、レンダリングに時間がかかるはずなので…そこはよしなに。
とりあえず他はいじらないでOK。最後にOutputの設定をしましょう。私は以下のように設定しました。
- まずはフォルダアイコンの部分で、保存先を設定します。
- 続いて書き出すファイルの種類を設定。静止画・動画が選べるので、お使いの環境に合わせて選びましょう!今回は動画書き出し&私はMac使いということでQuickTimeにしました。
- その横ではカラー設定が選べます。左から「白黒・カラー・カラー(透過あり)」という感じ。透明にしたいところもないのでRGBを選択します。
- さらに圧縮形式(Codec)を選びます。「この後編集したい」とかがあれば、非圧縮やDVCPROなどがやりやすいかと思いますが、特に何もする予定がないのでH.264にしました(YouTubeとかもH.264推奨ですしね!)。今回は音がないので、Audio CodecはNo audioでOKです。
書き出し
レンダリングは一番上のRenderで。左のボタンから「現在の静止画」「シーンのアニメーション」「プレイバック」をレンダリングしてくれます。デフォルトだと、一番大きいViewが勝手にImage Editorになってプレビューが出てくるはずです。やめたいときはEscで逃げられますよ。

今回は動画を書き出したいので、真ん中のAnimationを選びます。するとレンダリングが始まるので、何時間かぼーっとしていればきっと…できるはずです!
指定したフォルダにファイルがあるので、再生してみてください!
何だかあまりかわいくないなあ。パンダの顔が落書きみたいですね!
番外編:Unityにインポート
少し荒いやり方ですが…。Unityのプロジェクトフォルダ内にAssetsというフォルダがあります。そこにBlenderの.blendファイルをぶち込めばOK。Unity内でドラッグ&ドロップでも、エクスプローラー上でまるごと入れても(!)読み込んでくれます。UVテクスチャのファイルは階層をそのままで入れてあげた方が分かりやすいと思います。
入れてみると…多分UVテクスチャは反映されていないので、インポートした.blendファイル内のメッシュオブジェクトを選択し、inspectorのテクスチャから割り当ててあげてください!
プロシージャルテクスチャは残念ながら反映されないと思うので、別途ノイズのテクスチャイメージを作って、Bmpマップとして読み込むことになりそうです。
もうひとつ「?」と思うことがあるかと…。裏からなら壁が見えるのに、表から見えないですよね。これはうっかり法線(Normal)の向きを考えずにインポートしてしまったから。
法線(Normal)とは?
Unityとのやりとりで話している場合じゃないくらい重要事項なんですがね…法線とはいわゆる「面の向き」です。Blenderではテクスチャを貼ると裏面もテクスチャが貼ってあるようになりますが、Unityはしっかり裏表を認識するみたいです。
法線のチェックはBlenderで。壁とかのオブジェクトをつかんでEditモードに入ります。
Nキーでプロパティシェルフを出して、Mesh Display > Nomalsの欄で下のマークをオンにすると青い線が出てきます。これが面の向きを示しています。めっちゃ外側向いていると思います。こりゃUnityが見せてくれないワケですね。
法線(面)の向きを変えるには、Tキーでツールシェルフを出して、裏返したい面を選択。Mesh ToolsのNormalsからFlip Directionでひっくり返ります!
モデリングで遭遇するのが、メッシュの一部が何だか黒く変な風になる現象。これも面や点がひっくり返ってねじれているのが原因です。
メッシュをまるっと選択してツールシェルフのNormals > Recaluculate (ctrl+NでもOK)で解決が可能ですよ!
ここで言うことじゃないって?すみません。私もそう思います。
とにかくUnityにはあっさりインポートできました!アニメーションも使えると思います。(インスペクターで再生できたので…)あとはあんまり使ったことがないので勘弁してください。
チュートリアル連載終了です!
お疲れさまでした!これでとりあえずパンダは作れるようになったはずです。
とは言っても使った機能はまだまだ触りの部分。もっともっと色々なことができます。少しだけBlenderとはどんなものかが分かったところで、段々とハイクオリティなチュートリアルに挑戦してみてください!英語ですがBlender Guruとかのチュートリアルは、出来ると超テンション上がりますよ(英語分からなくても、動画だから見てれば何とかできます…!)。
長くなってしまいましたがお付き合いありがとうございましたー!今度はブログの方でもよろしくお願いします:)
今までコメントいただいた方、返信できずにすみません。
諸般の事情でコメントへの返信は見合わせております。
ただ、お送りして頂いたコメントはスタッフで拝見させて頂いております!
これほど丁寧で全体を包括したチュートリアルはない!
ありがとう!
じぎ さん
こんにちは!コメントありがとうございます!
こちらこそ…そんなに言って頂けるとは…っ!もんのすごく嬉しいです!ありがとうございます!
これからもお互いBlenderを楽しみましょうねー:)
こちらのチュートリアルを見ながら、なんとかパンダちゃんをムービーに書き出すことができました。
ムービーをyou tubeにアップして人に見てもらいたいのですが、よろしいでしょうか?
あらゆさん、こんにちは!
コメントありがとうございます:)
最後まで作っていただけてとても光栄です!
YouTubeにアップしても問題ないですよ!遠慮なくアップしてしまってください:)
ありがとうございます!パンダがかわいくて、がんばれました。